2003年1月10日、Rockyは神様に会うために天国に行きました。
生後2ヶ月で我が家にやって来てから12年間家族の一員として文字通り寝食を共にして過してきましたが寄る年波と病魔には勝てずに1月10日午前8時15分、眠るように息を引き取りました。
 
Rockyがいた12年間我が家には笑顔が絶えなかったように思います、とにかく人が大好きな犬でした、来客があれば誰でも大歓迎していました、我が家にビジネス相手のアメリカ人達を招いてパーティーをしたことが何度かありますがいつも立派にホスト役を務めてくれました、米国出張で訪問した会社の社長室にRockyの大きな写真が飾ってあってびっくりしたことがありました。きっと我が家を訪問した時に写真を撮っていたのですね。

家の中でこんな大型犬を飼うなんてと最初は眉をひそめていた母もRockyの優しさにメロメロになりました。

Rockyの訃報を聞いてご近所の方々が沢山のお花を持ってきて下さり、彼の遺体を安置した部屋が花で埋まるくらいでした。近所に住む女子大生がロッキーの枕元で泣きながら呟いた言葉がとても印象的でした「彼は本当の男の子だった、誰にでも優しくて、とてもおおらかで勇気があった、私は人間のこんな男に出会えたらいいなと思っていたんだ」

ロッキーが亡くなって暫くしてから長男がこのように言ったのです 「親父やオフクロに云えない事でもロッキーに話すとアイツは俺の顔を舐めて慰めてくれたんだよ、」 一人っ子の彼にとってロッキーは幼稚園児のころから一緒に育った兄弟だったのです。
ロッキーの家族を守るという気概は大そうなものでした、長男が小学生の頃、ボール遊びに夢中になった他の犬が長男にぶつかり押し倒すということがあった時、普段は仲の良いその犬に猛然と飛びかかっていきました、そして、その後に心配そうに彼の手や顔を舐めて慰めたのです。

勿論、ロッキーとて生来陽性で活発な大型犬ですから、良い子にしている時ばかりではありませんでした、お腹の空いたときの腹減ったコールはちょっとしたものでしたよ、「ハラヘッタ、ハラヘッタ、メシヲクレナキャグレチャウゾ」と叫びまくり、その声は私のアマチュア無線のマイクを通して世界中に響き渡ったものです。
乳歯が生え変わる時は痒みを紛らわせるためにテーブルの足を齧ったり、玄関の靴入れを齧ったりしました、今でも其の傷は我が家のあちらこちらに残っていますが家内は「ロッキー歯型だ」と大事にして修理していません。

ロッキーはわれわれ家族に犬をペットとして飼うのではなく、家族の一員として生活を共にする素晴らしさを教えてくれました、考えてみると種の違う生物同士がどうしてこのように互いに理解しあえるのか不思議なくらいでした。
何処へ行くのでもロッキーが一緒に行ける処というのが第一条件で、ずいぶん一緒に旅行したものです。

ロッキーは彼が大好きだった昼寝場所、庭の花水木の根元で眠っています。

そして今、花水木の木陰では昔のロッキーと同じようにゴールデンの女の子「ジャスミン」がのんびりと昼寝をしています。
一度ゴールデンレトリーバーと生活を共にした人々は彼らの魅力の虜になります、正に”金色の天使”なのです。

  







 Rockyの想い出